最もグリップの強いテニスシューズが、あなたに最適とは限らない
意図せず滑ることなく止まれるのは大切だ。ただし、グリップが増すたびに、その後のあらゆる動きまでよくなるとは限らない。

テニスシューズを選ぶとき、「グリップ」はとても説得力のある言葉だ。ボールには追いついたのに、足が滑ってコントロールできなかった一球を覚えているからだ。もっとグリップがあるという約束は、足元のずれを減らし、その上にある身体を安定させる、分かりやすい改善に思える。難しいのは、シューズが止まってもポイントは終わらないことだ。向きを変え、次の一歩を整え、たった今確保した位置から離れなければならない。
したがって、「よくグリップするか」という問いの中には、二つの問いが隠れている。一つは特定のアウトソールとコートの間で発揮できるトラクション、もう一つは自分の動作が実際に必要とし、使っているトラクションだ。同じ問いとして扱うと、最も高い数字が勝つはずだという用具の順位付けに向かいやすい。2016年のTennis Warehouse Universityの予備研究は、この二つを分けている点で役に立つ。
クロフォード・リンジーのこの研究は、2016年11月に公開され、12月に編集された。並進方向と回転方向のトラクションを調べるため、実験装置を開発している。並進トラクションは、表面を横切る滑りに抵抗するもの。回転トラクションは、接触部分で向きを変えることに抵抗するものだ。両方ともテニスに関係するが、「食いつき」の言い換えとして同一視はできない。直線的な動きへの抵抗を測っても、それだけで方向転換を十分説明したことにはならない。
係数で順位を付ける前に、実験を読む
装置に使われたのは、米国メンズサイズ9のAsics Gel Resolution 6の右足から切り取った前足部だった。それをDecoTurfが用意したアクリルのコート面に押し付け、振り子の仕組みを通じて制御した力を加えた。別の構成では、前足部の下にある面を回転できるようにした。これは試験方法と、シューズとコートの接触に影響する力の研究であり、現在売られているシューズ同士を競わせた試験ではない。
直線方向のトラクション係数は、水平方向のトラクション力を、シューズと面を押し付け合う垂直方向の力で割った値だ。滑り出す前のピーク値は、その条件で発揮できる最大の静的トラクションを表す。選手は動作を完了するために、その最大量より少ない分だけ使うこともある。研究は、実際に利用されたトラクションと、接触面が供給できる最大値を区別している。容量が増えたからといって、選手がすべてを必要とし、使い、利益を得ているとまでは言えない。
係数にも試験条件が必要だ。この予備研究では、垂直荷重が増えるとトラクション力の最大値も増えたが、係数は下がった。矛盾ではない。分母が分子より速く増えれば、比は小さくなるからだ。荷重を加える速さも結果に影響した。シューズのレビューへ係数だけを転記し、荷重や時間条件を省けば、その数字を解釈するのに必要な情報を取り除いてしまう。
もう一つ、見落としやすい点があった。装置が記録した動きの一部は、アウトソールがコート上を滑ったものではなく、シューズの素材が横方向に変形したものだった。研究では動きとその戻り方から、両者の寄与を区別している。動いたという感覚だけで、仕組みを一つに特定できるとは限らない。実際に足を入れれば、シューズ内部で足が動くという別の問題も加わるが、この切り取った前足部の装置は、それを解明するためのものではなかった。

著者は限界も明示している。一部の垂直荷重は、過去に報告されたテニス動作の値より低く、水平方向の力は高かった。力がピークに達するまでの時間も、引用したランニングフォアハンドの測定より大幅に短かった。結論では、特定のサーフェスでパフォーマンスと傷害低減を最もよく両立させる選択を、科学的に確立するには研究が不足していると述べている。こうした条件は結果と一緒に読むべきものであり、数字がランキングに変わると消えてしまう脚注に追いやってはいけない。
論文は、他の研究が提案したトラクションの範囲や、動作に必要な量以上のグリップが存在する可能性を論じている。しかし、あなたのシューズ、コート、身体に共通して安全な係数を示したわけではない。滑りやすくするためにアウトソールを加工すべきだという理由にもならない。素材についての結果だけで、トップ選手のハードコートでのスライドをまねるよう勧めたり、グリップの弱いシューズなら傷害を防げると証明したりはできない。
「とてもグリップする」より役立つシューズの記録
経験のある選手にとっての実用的な収穫は、問題をより具体的に説明できることだ。蹴り出しで意図せず滑る、足がアッパーの内側で動く、予想以上に急に止まる。どれも最後は「このシューズを信頼できなかった」と表現され得るが、確かめるべきことは違う。まず、何が起きたか、コートの状態、移動方向を特定しよう。不確かな一歩を、すぐにゴム素材への評価へ変えないことだ。
| 気付いたこと | 次に記録すること |
|---|---|
| 止まると思った場面でアウトソールが滑った | コート上の場所と状態、移動方向、アウトソールの摩耗や目に見える付着物 |
| アウトソールは接地したままに見えたのに、足が動いた | シューズ内部のどこで足が動いたか、そのときのフィットと締め方 |
| 停止は予測どおりだったが、その後の方向転換がぎこちなかった | 総合的なグリップ点数ではなく、足運びと方向転換の順序 |
| 同じシューズが別の会場では違う動きをした | 両会場のサーフェスと状態。シューズ自体が変わったと決めつけない |
| 練習の終盤に信頼感が変わった | 変化した時点、疲労、コートやシューズの状態の変化 |
これらの観察は、どれも係数の測定ではない。コーチ、フィッティング担当者、販売店との会話を具体的にすることが目的だ。シューズの中で足が動いているなら、もっと食いつくアウトソールを求めるだけでは問題を外すかもしれない。同じ一足がコートの一部分で予測しにくくなるなら、モデル全体を否定する前に面の状態へ注意を向ける必要がある。モデル名が同じでも、履き減ったシューズと新品は同一の試料ではない。
シューズを比較するなら、まずフィットと、実際に使うサーフェスへの適性から始める。普段のウォームアップで馴染みのある動きの範囲に比較を置き、いつもどおり制御しながら強度を上げていく。急激な切り返しや無理なスライドで、滑り始める限界を探す必要はない。予想外の滑りや引っかかる感覚は、止まって調べるための情報だ。合格するまで強く繰り返せという誘いではない。
比較では、箱のラベルと同じくらい条件も重要になる。清潔で乾いたアクリルコートと、水分や異物のあるコートでは、接触の組み合わせが違う。アウトソールを長く摩耗させる前と後のシューズも同じではない。実際に経験した条件を記録しよう。ある会場で得た信頼できる感触は有用だが、別の会場へ持ち込むなら、保証としてではなく、改めて確かめる問いとして扱いたい。
記録の代わりに音を使いたくなることもある。大きなきしみ音は、強いグリップのように感じられる。しかし音だけでは、係数の計算に必要な垂直荷重も水平方向の力も得られない。次の方向転換をどう感じたかも分からない。選手に必要なのは、使う環境で接地、減速、次の動作への立て直しが予測できることだ。もっとも頼もしい音を競うことではない。
販売店に関連する、この古い予備研究は、今日買うべき一足を指定してくれない。購入判断から信頼できない近道を一つ取り除く助けになる。必要なのは、自分のコートで自分の動きに十分かつ安定して働くトラクションと、それを使えるフィットや支持性だ。次に「ものすごくグリップする」と聞いたら、どこで、どんな条件で、どの動作中にそう感じたかを尋ねたい。最上級の表現が、そこで初めて情報になる。
出典と参考資料
TENNIS TENSION LAB
今日、ラケットのテンションを確認しよう。
10秒以内にストリングのテンションを高精度で測定。Tension Labが初回測定からの変化を記録し、張り替え時をわかりやすく示します。
- ストリングのテンションを高精度で測定。 10秒以内に完了。
- 打球感の変化を クリアな記録に。
- 張り替えどき、 もう感覚だけに頼らない。