ボディサーブ:狙った場所に入った後、リターンを制限できたか
ボディサーブはそのまま得点になることも、低いボレーを残すことも、落ち着いてブロックされることもある。狙いと実際のリターンを一緒に見る。

ボディサーブを増やすかどうかは、エースの数よりも、どんなリターンが返るかで判断したい。相手が体との間隔を作ってブロックすれば、ポイントは続く。窮屈なリターンでも、サーバーに低いボレーを打たせることがある。サービスボックスの中央付近に入ったというだけでは、位置しか分からない。有利に始めるには、相手が打ちにくくなることと、実際の返球に備えることが必要だ。
すでにファーストサーブのコースを変えられるクラブプレーヤーには、ワイドとセンターに加えてボディを使う意味がある。ただし、三つの場面を見ると、その選択にも評価が必要だと分かる。ビーナス・ウィリアムズは2007年ウィンブルドン決勝をボディサーブで終えた。ロジャー・フェデラーは2018年に、その後の低いボレーを処理する必要があった。セリーナ・ウィリアムズは2009年の優勝を決めたポイントで、ボディサーブを返している。
場面1:ビーナスの優勝を決めたサーブは、そのまま得点になった
2007年ウィンブルドン決勝で、ビーナスはマリオン・バルトリを6–4、6–1で破った。当時のAFPの記事によれば、2本目のチャンピオンシップポイントを強烈なサーブで決めた。クレイグ・オショネシーは、Wimbledon Channelで行った分析の解説文で、最後のポイントの戦略をボディサーブと説明している。サーブで終わらせる方法は、リターナーをコーナーへ引っ張ることだけではなかった。
ボディサーブでは、単に外へ手を伸ばすより、球と体の間にスペースを作ることが求められる。手が届く位置の球でも、打点は窮屈になりうる。フォアで返すかバックで返すかの判断と、体を球から離す動きを同時に行うこともある。だからリーチの長い選手にとっても、近い球が別の難しさを生む。
この場面はすぐに得点する方法の一例であって、大事なポイントでは毎回ボディへ打つという規則ではない。相手がどうスペースを作っているかを見たい。狙いを予測し、余裕を持って体を動かし、自由に方向をつけて返すなら、同じ場所へのサーブでも結果は違う。コースの名前だけでは、その観察を代わりに済ませられない。
場面2:フェデラーには、まだ低いボレーが残っていた
次は2018年ウィンブルドン1回戦、フェデラー対ドゥシャン・ラヨビッチの一場面だ。6–1、2–0、15–15で、フェデラーはボディへサーブを打ってネットに出た。オショネシーのポイント分析では、ラヨビッチは詰まったバックハンドスライスで返したとされる。返ってきたのは低いフォアボレーを必要とする球であり、楽に決められる高い球ではなかった。
フェデラーはそのボレーをバック側のコーナーへ深く送り、ラヨビッチは難しいバックハンドのストレートパスをミスした。サーブがリターンを制限し、フェデラーが低い球に適したショットを実行した。この二つがつながっている。ボレーのコースで相手の次の返球も難しくした。最初のボレーをコートに入れることは、その後も続く攻防の一部であって、唯一の目的ではない。
ボディサーブの後には中央への短い返球を予想できるかもしれないが、優先すべきなのは実際に来る球だ。低ければ、バランスと深さで攻撃を続ける必要がある。高ければ、もっと直接的に決められる可能性がある。サーブのコースと次のショットは別々に練習しても、最後は一つのポイントとしてつなげたい。
ウィンブルドン公式のフェデラー対ラヨビッチのハイライトで、その試合を振り返れる。サーバーが前に出る速さだけでなく、リターンの高さとその処理を見たい。同じ前進でも、高い決め球を得ることもあれば、難しい低いボレーになることもある。サーブと次のショットを分けて評価すると、その違いが見えてくる。

場面3:セリーナのブロックは、次に争う機会を残した
2009年ウィンブルドン決勝の最後のポイントでは、ビーナスがサーブを打ち、セリーナが返した。オショネシーは、フォア側で窮屈になったセリーナが、コンパクトなブロックで中央へ返したと説明している。体の近くへ来た球に対して大きなスイングをしなくても、ポイントに残ることができた。
当時のロイター通信は、この4本目のチャンピオンシップポイントが、ビーナスのバックハンドのネットで終わったと記している。セリーナが7–6(3)、6–2で勝った。ボディを狙い、打ちにくい打点を作っただけでは、サーバーの得点は確定しない。ブロックが返れば、ビーナスにはその返球を処理する課題がまだあった。
セリーナの対応が重要なのは、鮮やかな角度や即座のウィナーではなく、ポイントを続けたからだ。サーブで詰まったリターナーは、動作を小さくし、広いエリアを狙える。サーバーはそのブロックへの備えが必要になる。両者に残る選択を見れば、単にボディへ入ったと記録するより、ポイントを詳しく説明できる。
| 場面 | サーブ後の展開 | 評価の焦点 |
|---|---|---|
| ビーナス、2007年決勝の最後のポイント | サーブで試合が終わった | 直ちに得られた得点 |
| フェデラー対ラヨビッチ、2018年 | 詰まったスライスの後、低いボレーが必要だった | 次のショットの実行 |
| セリーナ、2009年決勝の最後のポイント | ブロックが返り、最後はサーバーが失点した | リターナーの対応とポイントの継続 |

同じ決勝でも、ボディサーブの結果は異なった
2023年ウィンブルドン決勝のファーストサーブの記録を見ると、選んだ数ポイントより広く比較できる。オショネシーの公表集計では、カルロス・アルカラスはボディへのファーストが入った38ポイント中27ポイントを獲得し、ノバク・ジョコビッチは29ポイント中13ポイントだった。約71%と45%になる。同じ試合で同じコース名が付いていても、結果には大きな違いがあった。
| サイド | アルカラスの獲得数/総数 | ジョコビッチの獲得数/総数 |
|---|---|---|
| デュースサイド | 16/24 | 5/11 |
| アドサイド | 11/14 | 8/18 |
| 合計 | 27/38、約71% | 13/29、約45% |
分母は、ボディへのファーストサーブが入って始まったポイントである。その場所を狙ってフォルトした試行は含まれない。また、その後のショットやラリーも含む数字であり、リターンの即時ミスだけを測ってはいない。クラブプレーヤーに役立つのは、返球と続く展開がどう変わるかという比較だ。同じコースを選べば同じ71%を得られると期待するための数字ではない。
結果にはリターナーも関わる。アルカラスのサーブを返したのはジョコビッチであり、ジョコビッチのサーブを返したのはアルカラスだ。この比較ではサーバーを替えると、リターナーも替わる。各数字は一人の配球と相手の対応を合わせた結果である。同じ場所へ打っても相手の準備は消えない。ビーナスが詰まらせるコースを選んだ後にも、セリーナにはブロックが残っていた。
最近のダブルスデータも、普段の選択を見直す材料になる
2026年6月、ウィル・ブチェクは2024~26年のATP・WTAダブルスから集めた、ファーストサーブが入った6,905ポイントの分析を公表した。男子の標本では、ボディサーブのポイント獲得率はデュースサイド70%、アドサイド約68%。女子は約52%と55.6%だった。表では男女とも、両サイドでボディがセンターとワイドを下回っていた。個々の成功例と、より広いダブルスの標本は、違う問いを投げかける。
これは収集した試合の観察で、選手、相手、コース選択が同時に変わっている。特定のペアにとってボディサーブが何を生むかを調べる材料にはなるが、その割合を減らせば必ず結果がよくなるとは言えない。ダブルスでは次の球に、相手のネットプレーヤーとサーバーのパートナーも関わる。シングルスでの高い割合を、そのままペアの基準にはできない。
記録上のボディの区域と、実際に相手を詰まらせる打点も同じとは限らない。リターナーの構えた位置や動きによっては、同じ落下位置でも打ちやすい球になる。体との間隔を作る必要があったか、リターンをまだコントロールできたかを確かめたい。コース図に印を付けることと、戦術的な効果が出たことは、評価の異なる段階だ。
練習でも、リターナーの対応を限定しない
ファーストサーブが安定し、コースも変えられるなら、ボディと慣れた別のコースを交互に使ってみよう。リターナーにはブロックや体をずらす対応を認める。すぐに終わったポイント、打ちにくい返球、余裕のある返球を分けるだけでも、クラブの練習では比較になる。毎回次のショットまで続ければ、よいサーブの後で低い球をミスしたのか、最初から返しやすかったのかを区別できる。
ライン際を狙うとファーストが入らない選手や、まだ配球を学んでいる選手は、サービスボックスの左右半分に広い目標を置くところから始められる。相手がボディを待ち、繰り返し余裕を持って体を逃がすなら、ワイドとセンターも使おう。ボディサーブの価値は、その日に相手へどんな追加の準備を求めたかにあり、どれだけ多用したかにはない。狙った圧力が効いたかどうかは、実際のリターンと次の1球で判断したい。
出典と参考資料
- Craig O’Shannessy / Brain Game Tennis — Strategy On Match Point At Wimbledon: 2007–2012
- Craig O’Shannessy / Brain Game Tennis — 10 Clever Wimbledon Takeaways From Roger Federer
- Craig O’Shannessy / Brain Game Tennis — 2023 Wimbledon Final – Alcaraz First Serve Lesson
- Will Boucek / The Tennis Tribe — The Worst Serve in Doubles, According to the Numbers
- AFP / ABC News — Venus clinches 4th Wimbledon crown
- Reuters / ABC News — Serena downs Venus to win third crown
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